久しぶりの路上。
5月12日
(ペナン)
沈没って最初は楽しい。
起きるまで寝てられるし、これでもか!って位ダラダラできるし
現地で誰に注意されることもなければ偏見で見られるようなこともない。
だから最初は本当に楽しい。
好きなことを好きなだけできる。ノーストレス。
同じゲストハウスに滞在していた西洋人も、ロビーで常に同じ体勢でゴロゴロして沈没している。
でも沈没が続くとそのありがたみが薄れてくる。
起きるまで寝てるのもたまにするから気持ちいい。
これ続くと昼に起きるのが当たり前になって感動が徐々に薄れてきて、むしろ自分何やってるんだろうっていう虚無感に襲われる。
シンガポールで一人も来なかった路上。気分がてらにやるか。これで人来なかったらもう泣こう。
無料バスに乗りペナンで一番でかいショッピングセンターへ行く。
良さげな場所を見つけさっそく開始。
FREEと書こうとしていた時に一つの目線。
「お兄さん。書いてあげようか?無料だよ。とりあえずコッチきて!」
半無理やりお兄さんを連れてきてとりあえずゼロは防いだ。
パキスタン出身のお兄さん。何書いて欲しい?と尋ねると、
「I Love Malaysiaって書いて!」
そんな漢字はよくわからないのでシンタロ流にアレンジしてお届け。
「いらねー。家帰る前にどっかで捨てよう」
みたいな感じ丸出しのお兄さんだったけどまあよし。客が来たことに意味があるからね。
でもこの汚い字。もし僕がお客さんだったら本当にいらないし、書いてもらったとしても間違いなく帰る前にゴミ箱行きだろうな。
FREEにしてるのに人来ないし喜ばれない。
どうすればいいんだろうと真剣に考えた結果これにたどり着いた。
こんな感じでお互いの顔を描いてたらギャラリーが見たこともないくらいに集まっていた。
これだ!!下手くそだけど。
見に来ていたお客さん一人一人に
「あなたの顔描きますよおおおお!!!!え?ハウマッチ?無料に決まってるじゃないですかあああ!!さ!さ!どうぞ座って!!!」
全員に苦笑いされ逃げるように後ずさりされた。
しばらくして誰もいなくなった。
絵描き作戦、失敗。
というか誰も目すら合わせてくれなくなった。
泣きたい。
まあ一人無理やりだけど書いたし、そろそろ終わるかってなった時に来た。お客さん。
「俺のシャツに君の習字を書いてくれええええええ!」
少しヤバ目なリキシャのおっさんだ。
でも紙以外に人の衣類に文字書くのなんて、まあまあ有名人じゃないとできないことだし・・。
てなことでオッケーしてシャツを脱いでもらい、もらった時に強烈な臭いを感じむせた。
殺人的な暑さのペナンでこれ軽く一週間は洗濯してねえだろお!!!と突っ込みたくなったのを我慢して、とりあえず書き始める。
シャツに書くのって難しい。
しかも生地がギザギザで書きづらいし墨だからシャツの背中側の方にも墨がああああああ!墨写っちゃった。
リキシャのおっさんだったので力車と書いてあげた。
「ありがとんおおおオオオオオオオオオオオ!!!!」
と何か分からないけど凄く喜んでいた。
ありがとう。でもちゃんと洗ってね。
そんな感じでペナン島終了です。
お次はランカウイ島でございます!
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